小澤典行さんは、福島県双葉郡にある医療法人社団養高会 高野病院の理事長を務める人物です。
2023年11月より高野病院の理事長を引き継いでから、救急患者の受入れや訪問診療の再開、訪問リハビリを開始するなど病院再建に向けたさまざまな挑戦を行っている人物として注目を集めています。
この記事では、小澤典行さんのプロフィールや経歴、研究実績、現在の活動、人物像などについて紹介します。
併せて、高野病院の概要や特徴、小澤典行さんが病院を譲受した理由や取り組む病院再建のポイント、医療業界の課題に対する視点、そして今後のビジョンについても知ることができる内容です。
- 小澤典行のプロフィール
- 小澤典行の生い立ち・経歴
- 小澤典行は病院再建に注力するのか
- 小澤典行の現在の活動
- 医療法人社団養高会 高野病院の概要
- 小澤典行の研究・論文実績
- 小澤典行の人物像・家族構成は？
- 小澤典行に関するよくある質問Q&A
- この記事のまとめ
※このブログはアフィリエイト、広告収入等を目的としてコンテンツを掲載しています。
小澤典行のプロフィール
| 名前 |
小澤典行 |
|---|---|
| 読み方 | おざわ のりゆき |
| 生年月日 | 1963年7月31日 |
| 出身地 | 愛知県 |
| 身長・体重 | ーcm/ーkg |
| 学歴 | 富山医科薬科大学（現：富山大学）医学部 卒業 |
| 職業 | 高野病院 理事長 |
小澤典行の生い立ち・経歴
これまで数多くの病院を再建へと導いてきた小澤典行さんはどのような人生を歩まれてきたのでしょう。
ここでは、小澤典行さんの生い立ちから高野病院の理事長へと就任するまでの経歴を紹介します。
スポーツ少年から医学の道へ
小澤典行さんは愛知県出身で、野球・サッカー・剣道・陸上などスポーツ全般が得意な運動神経抜群な少年時代を過ごします。
高校卒業後は医学の道へと進み、1989年に富山医科薬科大学（現：富山大学）医学部を卒業します。
同年6月には東京女子医科大学日本心臓血圧研究所循環器内科へと入局し、約10年間さまざまな経験と実績を積みあげていきました。
1999年に大和徳洲会病院／循環器センター長、
2001年に明芳会横浜旭中央総合病院／循環器科部長、
2009年に康心会湘南東部総合病院／副院長兼循環器センター長、
そして2013年には大和徳洲会病院および静岡徳洲会病院／副院長兼循環器センター長に就任。
年々キャリアアップしていたことから、実力のある人物として評価されていたことがうかがえます。
数多くの病院で院長を務めた経歴
小澤典行さんは、2014年に湘南厚木病院の院長へ就任してから今に至るまで、さまざまな病院の院長を務めてきた経歴があります。
| 就任年月日 | 病院名・役職 |
|---|---|
| 2014年6月 | 湘南厚木病院 院長 |
| 2015年4月 | 大和徳洲会病院 院長 |
| 2017年10月 | 葵会柏たなか病院 院長代理 |
| 2019年2月 | 間中病院 副院長 |
| 2019年6月 | 間中病院 院長 |
| 2019年10月 | 間中病院 院長／静岡地区病院メディカルアドバイザー兼任 |
| 2020年12月 | 間中病院 院長／静岡地区病院メディカルアドバイザー／神戸彦坂病院 総長兼任 |
| 2021年6月 | 原田病院 院長 |
| 2023年11月 | 医療法人社団養高会 高野病院 理事長 |
| 2024年2月 | 長野県長田内科循環器科 理事長兼任 |
小澤典行さんは院長としてあらゆる病院の経営改革に携わり、病院再建に貢献してきました。
小澤典行は病院再建に注力するのか
循環器内科や救急医療を専門としてきた小澤典行さんが、病院再建に注力する理由は、単に医療技術だけでなく、経営の視点も持たなければ、質の高い医療を長期的に提供できないと考えているからです。
かつて心臓カテーテル治療に専念していた小澤典行さんは、院長就任の打診を一度は断りました。
しかし、当時の理事長に「好きなことだけをしていてはいけない」と説得され、院長職を受け入れる決意を固めます。
この経験を通じて経営の重要性を学び、以降は病院再建に注力するようになりました。
医療業界の課題に対する小澤典行の視点
小澤典行さんは医療業界の課題として、医療の提供と経営のバランスの重要性を挙げています。
患者が回復するまで治療を続ける必要がある一方で、保険制度の制約によって赤字に陥る医療現場の現状について、「仕方がない」と諦めるのではなく、工夫次第で改善できると考え、指導にも力を入れています。
心臓カテーテル治療に専念していた経験と、経営について学んできた知見を生かすことで、病院再建において必要な視点に行き着いたといえるでしょう。
「病院の経営が安定しなければ、治療自体も成り立たない」という確信から、医療と経営の両立を現場に浸透させることに力を入れています。
小澤典行の現在の活動
現在、小澤典行さんはM&Aで承継した高野病院の理事長として、病院の再建に取り組んでいます。
元理事長である高野己保さんが病院を譲渡する決断をしたのは、小澤典行さんの「患者や職員を置き去りにしない」という経営方針が、高野病院に対する思いと一致したことが理由です。
ここでは、元理事長がM&Aを検討した経緯と、小澤典行さんが高野病院を譲受するまでの背景を紹介します。
高野病院を事業譲受した背景
高野病院の元理事長、高野己保さんは、コロナ禍による赤字が続く中でも病院を存続させたいと考え、2022年3月ごろからM&Aの検討を始めました。
しかし、最初に相談した仲介業者とは意見が合わず、話は頓挫。自己破産も視野に入れた時に、別のM&A仲介業者を通じて小澤典行さんと出会いました。
小澤典行さんは以前の勤務先でもM&Aに関わった経験があり、その中で「規模拡大だけを目的にしたM&Aでは、地域医療や職員が置き去りになる」という問題を痛感していました。
そのため、譲渡する側、譲受する側、地域住民や患者のすべてが利益を享受できる「Win-Win-Win」のM&Aを実現するため、自ら譲受に向けて動いたのです。
さらに小澤典行さんは、高野病院顧問の奮闘を綴った書籍を読み、地域医療への情熱に感銘を受けました。
副理事長の徳丸さんとともに温めてきた「Win-Win-Win」の構想を実現できる病院として、高野病院に声をかけることを決めたのです。
結果として、小澤典行さんは病院名や法人名を変えずに事業承継を実現しました。
医療法人社団養高会 高野病院の概要
高野病院の概要は以下の通りです。
小澤典行が感じた病院の強み
小澤典行さんが高野病院の理事長に就任してから感じた病院の強みは、「職員の統率力」でした。
地域住民の心の強さを感じる場面が多いのはもちろんですが、何より印象的なのは、自分をしっかり持ち、仕事に真摯に取り組む職員が多い点です。
理事長が変わった際も動揺することなく、統率の取れた運営が行えていることに、小澤典行さんは病院の強みを実感したそうです。
また、高野病院には東日本大震災をはじめ、多くの困難を乗り越えてきた歴史があります。
その経験が、どんなに苦しい状況でも医療への情熱さえあれば乗り越えられるという価値観を自然に育む文化として根付いていることも、大きな強みといえるでしょう。
理事長就任後に取り組んだ改革と挑戦
小澤典行さんは、高野病院の理事長に就任してからさまざまなことに取り組んできましたが、特に改革的な挑戦といえる出来事はクラウドファンディングといえます。
高野病院は東日本大震災を乗り越えてきた経験から救急医療や訪問診療の再開への理解は容易に得られたものの、資金においては厳しい状況が続いていました。
しかし、小澤典行さんは、「資金がないから医療を諦める」という状況では、高野病院に限らず地域医療を守ることは難しいと考えていました。
そのためクラウドファンディングを実施し、目標金額を達成。得られた資金で生化学分析装置など、必要な医療機器を購入しています。
小澤典行の研究・論文実績
小澤典行さんは特に心臓カテーテル治療に専念してきた医師であり、これまで数々の研究や論文に携わってきました。
以下に、一例を紹介します。
| 1 | 方向性粥腫切除術施行時における Virtual Histology システム搭載型20MHz IVUSと40MHzグレースケールIVUSの有用性の比較検討 |
| 2 | 右冠動脈入口部慢性閉塞性病変に対し順行性および逆行性アプローチによる Kissing Wire Technique にて血行再建に成功した1例 |
| 3 |
Directional Coronary Atherectomy により形成された冠動脈瘤の発生頻度と late Thrombosis および very late Thrombosis の発生 出典元： https://jglobal.jst.go.jp/detail?JGLOBAL_ID=200902219918006706 |
| 4 | 分岐部病変に対するDCA(方向性粥腫切除術)と Sirolimus-Eluting Stent 留置術の初期・中期成績の比較検討 |
| 5 | 表在性石灰化およびその下に隠された lipid rich plaque を伴う急性心筋梗塞症例に対して Directional Coronary Atherectomy (DCA) と血栓吸引療法施行し, 良好なステントの拡張を得られた1例 |
| 6 | Flexi-Cut (L) のワーキング径とデバルキング効果 |
| 7 |
左回旋枝病変に対する DCA (Directional Coronary Atherectomy) を用いた新しいテクニック : αループテクニック |
| 8 | Directional Coronary Atherectomy (DCA) による Super Aggressive Debulking と報告されてきた薬剤溶出性ステントの成績比較 |
| 9 | direct PTCAおよびsalvaged PTCAが不成功に終わった急性心筋梗塞に対し,ウロキナーゼの冠動脈内投与後にRESCUETMカテーテルによる血栓吸引療法を施行した2症例 |
これらの研究・論文は小澤典行さんが明芳会横浜旭中央総合病院に勤めている際に発表している内容となっています。
小澤典行の人物像・家族構成は？
小澤典行さんは既婚者で、妻と長女の3人家族です。
人物像としては、リーダーシップのある方だといえます。病院再建においては、職員が積極的に会議や委員会で意見を出せる環境づくりを推進するなど、病院のトップとして働きやすい職場環境の整備にも注力しています。
また、これまで数々の病院再建に携わり、地域医療を守るために病院が何をすべきか常に考えていることから、責任感の強い人物であることも伺えます。
小澤典行に関するよくある質問Q&A
ここでは、小澤典行さんに関するよくある質問をQ&A形式でまとめました。
Q. 小澤典行が取り組んでいる病院再建のポイントは？
A. 小澤典行さんが考える病院再建のポイントは「職員の意識改革」「病床の有効活用」「新規事業」の3つです。
病院再建を望む病院では、比較的経営参画への意識が低い傾向があります。そこで職員が積極的に意見できる環境を整えることで、自分たちの意見がサービスや経営に反映される実感が得られ、意識改革につながるとともに職場環境の向上も期待できます。
また、病床稼働率が90％以上であれば、病院は基本的に赤字になりません。そのため、病床を有効活用することは、病院再建における必須ポイントといえます。
さらに、経営難の病院においては新規事業の導入も重要です。過去には、ある病院でPCRセンターを新設し、全国から検査依頼が殺到することで収益改善につなげた事例もあります。
Q. 小澤典行が理事長を務める高野病院の特徴は？
A. 高野病院は海と山に囲まれた自然豊かな町である福島県双葉郡にあり、地域に密着した充実の医療提供が特徴です。
主に後期高齢者に対する医療を意識しており、2025年10月時点で内科、神経内科、消化器内科、老年内科、精神科、リハビリテーション科を設けています。
精神科では認知症療養病棟を設け、プライバシーも確保した快適な療養環境を提供し、患者の方々が治療に専念できる環境づくりを徹底しています。
また、病棟の窓から太平洋を眺めることができ、森林に囲まれた落ち着いた雰囲気で治療できる環境です。
Q. 小澤典行が目指す今後のビジョンは？
A. 小澤典行さんは、今後も「地域医療を守る」ことを意識した活動を続けていきたいと考えています。
現状では開業医の60％は後継者がいないといわれており、今後の病院経営をどうすべきか頭を抱えている医師も少なくありません。
地域の医療機関が1つ閉院するだけで、高齢者を中心に遠くの病院へ通院する必要が生じ、金銭的にも心身的にも負担が増加してしまうことが予想されます。
小澤典行さんは、こうした日本の医療の現状と、患者の役に立ちたいという思いから、高野病院を第一の承継先として引き継ぎました。
今後も地域医療に尽力できる活動を続けていきたいと考えられているようです。
この記事のまとめ
小澤典行さんは、「地域医療を守る」活動を目的に地域・患者・職員が「Win-Win-Win」な関係になれる病院づくりを目指す人物です。
その第一歩として、M&Aによって高野病院を承継し、現在は理事長として病院再建に取り組んでいます。
病院経営に携わる以前は、心臓カテーテルの治療に専念し、多くの研究や論文実績も残しています。
その後、病院経営について徹底して勉強を行い、様々な病院の院長や理事長を務めながら病院再建に挑戦し続けてきました。
「病院の経営が成り立たなければ、治療することもできなくなる」という自身の観点と「地域医療を守る」という強い想いで、小澤典行さんは今後も地域の方々が安心して通うことのできる病院再建に取り組まれていくことでしょう。
